階段を上って神田くんの部屋に向かおうと思った。

…が、部屋がわからない。


「部屋どこか聞くの忘れてた…」


この階ではあるはず!

私の部屋は1番奥の部屋だし…

その他は男の子5人の部屋であることは確かなんだけど…

神田くんの部屋がわからない。


「うーん…」


私が一人で考え込んでいたら、右の部屋から神田くんの声がした。


「…どうした?」


声のした方向に目を向けると、布団を軽々と抱えて私のことを不思議そうに見ていた。


「あ、えっと…部屋がわからなくて…」

「立花の部屋は一番奥だろ?」


そうじゃないんだけどなぁ…


「部屋まで持っていく。」


口数の少ないイメージの神田くん。

必要なことを伝えて、私の部屋の扉へと向かった。