太陽と月。






今日のライブが終わりどんどんお客さんが帰って行く中、あたしは立ち尽くしていた。




「水無月…か。」




ここにいてもしょうがないし、バーカウンターに行くか。




「マスター!何か甘いの作って。」



マスターとは仲がいいので、よく“甘いの”とか“強いの”でリクエストをしている。


「今日はいいものあるよ。」


出てきたのはメロンリキュールをベースにしたカクテル、仕上げにスプレータイプのホイップクリームをトッピングした“メロンソーダフロート”っぽいもの。



「いいね、コレ。」


子どもっぽい気もするが、嬉しかった。


ゆっくり眺めながら飲む。



しかし今日はコンパとかでの一気飲みかのようだな。


これで最後にしよう。


ちゃんと帰れるかな?


すごく眠いや。




あたしはさっきまで“あの曲”を気にしていたのだが、いつの間にか睡魔との闘いになり、頭の隅に追いやられた。





『…また会ったね。』






甘く優しい囁き。





「…え……!?」








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