今日のバンドについて、お互いの近況、最近見たライブについて、話した。 近すぎず、遠すぎず、これくらいの距離があたしにはちょうどいい。 「さて、じゃあお兄さんはそろそろ準備やらするよ。」 「あーもうそんな時間?」 「俺ら今やってるとこの次。」 「りょーかいっ!」 「ちゃんと見てろよー!」 「わかってるって!」 マサは色んな人に声をかけ、かけられながら楽屋へと向かって行く。 さて、もう一杯くらいでホールに入ろうか。 グラスを揺らし、お酒をグルグルと回す。 『…やっぱ彼女か……』 .