太陽と月。






185cmはありそうなスラリとした男性が白く輝く歯を見せてニッコリ笑ってお辞儀をする。




「初めまして、本日担当させて頂く大橋です。」




白いシャツをロールアップし、色白だが男らしい腕に、ドキッとする。


ボタンを外しているから見える胸元がまたセクシーだ。



…おっと、あたしは何をしてる。


亜子は現実に戻ってきたかしら。


「…亜子……?」



見事に目がハートになって、顔をほんのり赤くし、まだ固まっているようだ。


「亜子!担当さん来たよ!」


少し揺らして強めに言う。



「あっ!あ…えと、初めまして、葛城亜子です…」


「こんにちは。」


「本日はカラーとカットのご予約でしたね。」


「はい!お願いします。」


亜子の語尾にハートがついてそうだ。



んーしかしなーんか胡散臭い笑顔だし、女慣れしてる感じが好かん…あたしのトキメキを返せ!


心の中で大橋さんとやらに毒づく。



「では葛城様、こちらの用紙に記入して頂けますか?」


よく見る名前や住所、髪質や使っている整髪料、目指す髪型などを質問している用紙だ。



「お連れ様のお名前もお聞きして宜しいですか?」


手持ち無沙汰なのか、また胡散臭い笑顔で聞いてきた。


「はぁ…南です。」


あまり教えたくはないが、断る理由も見つからないか。








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