なぜなら、昨日は仲良し8人組で集まったのだから。


この頭痛は、きっと皆で集まった事にテンションが上がり過ぎて、お酒を飲みすぎたんだろう事が容易に想像出来る。


ただ、ここまで記憶が無いというのもひなの人生で初めての事だ。



皆で集まった記憶が無い。


電車に乗った記憶が無い。


亮介と一緒にスーパーに入った所までしか記憶が無い。


忘れているというよりも、すっこりと抜け落ちた様な感じ。



頭を擦りながらも、寝起きのふらふらした足取りでキッチンへと向かう。


キッチンのシンクには昨日そのままにしておいたマグが置かれていて、そのマグを掴みとるとざっと洗って水道水を注ぐ。


それを一気に口へと運んだ。


ゴクッゴクッという喉が鳴る音が頭に響く。


と、共に何故か渇いていた喉がスーッと潤っていく。


水を飲んだからか、頭の痛みが徐々に退いていくのが分かる。



二日酔い。


短大に入ってからよく聞くようになったその言葉を、今現在自分が体験している。そう思っていた。


が、こんなにも直ぐに頭の痛みが退いていくものだろうか?



そう頭を捻るも、今まで二日酔いを体験した事の無いひなにはその答えが見付からない。


ただ、飲み過ぎて記憶が無いという話も聞くし、それ以外に今の状況を説明出来る事柄もない。



多分、飲み過ぎ。


誰かに迷惑掛けなかったかな?


記憶が飛ぶまで飲んだんだから、そりゃあ、……迷惑掛けてるよね。