変化は簡単には起こらない。


何かの切っ掛けが必要で、その切っ掛けが必ずしも良い物である訳ではない。


だからこそ人は変化を恐れる。


ひなも亮介も。今日集まる他の6人も。



スーパーが見えてきた所で、ふと思い出した様にひなが口を開いた。



「ビールとかお酒も買う?未成年だけど」



尋ねておきながらも、飲むよね?という顔を亮介に向けるひな。


あからさまなその表情に亮介が苦笑する。



「あー、買っとくか!」


「だよね」



ひなの表情を見て、未成年だから駄目!なんて亮介が言えるわけがない。


ただ、元より駄目なんて言うつもりが亮介には無かった様だが。


お酒は20歳になってから!は、分かっていても、高校を卒業するとその気持ちも一気に緩くなってしまう。


飲み会というのが増えるせいでもあるのだが。


その結果、まあ、いっか今日位なら…と思ってしまうのが人間の性というものだ。



「勝也とか太一が酒~!って言いそうだもんな」


「確かに。あの二人は言うね」



そんな話をしている間に、目的のスーパーへと辿り着いた二人は、自動ドアを抜けスーパーへと足を踏み入れた。