仲良し8人組




その隣でひなはニコッと微笑むと更に言葉を続ける。



「龍のお父さんがまさかボヌール社の社長なんて亮介は知らなかったんだから、それってやっぱり亮介の才能を欲したって事だよ!」


「ひなにそう言われるとそんな気がしてくる」



はにかんで笑う亮介の肩をバシッと叩くと、


「そうなの!」


そう言い切るひなに亮介も頬を緩めた。


暫くすると、亮介の住んでいるアパートが見えてくる。


亮介は、基本スーツで出社と決まっている。例えそれが緊急の仕事でもだ。


だから家に戻らなければいけないわけだ。


二人がアパートの階段にさしかかった時、


「あっ、言うの忘れるところだった!」


何かを思い出したひなが手を打った。



「何を?」


「この間、夢に会ったの。亮介君は元気?って」


「ふーん、夢か」



中学の友達の顔が頭を過る。



「最近会ってないから、3年前みたいにまた皆で集まりたいね!」


「だな」



3年前に中学校の校舎に皆で集まって飲んで騒いだ記憶。



楽しかったな。



そんな気持ちと共にひなが口を開いた。





「だって私達は仲良し5人組だもんね!」