明は多分もう殺されている可能性が高い。
じゃあ次は、……ひなの番だ。
だから、今のひなと一緒にいるのは凄く危ない。
亮介と一緒に居たい。
でも、亮介を巻き込みたくない!
3年後の亮介の姿を見ているから余計にひなはそう思うのだ。
亮介を巻き込まない為には、一緒に居たら、……ダメなんだ。
そんな思いを胸に、亮介の姿が見えなくなるまでひなはずっとその後ろ姿を見つめていた。
トントントン。
階段を下りる亮介と卓の足音が響く。
それに合わせてひながスッと足を動かした。
勝也、明、ときたら次はひな。
これは変わる事がないだろう。
ひなも含めて3人が殺される。
「3人って……」
顔を青くさせひながそう独りで呟くと、一目散に家庭科室へと駆け出す。
真由美に聞いた怖い話が今私に実際に起こっているなら、私が3人目だったんだ。
でも、それなら今私を狙っている犯人も元は殺された3人目だったのかもしれない。
3人目に殺されたなら、自分を殺した犯人の名前を言わなきゃならない。
でもだ。もし犯人の名前を当てられなかったら……、
その人は知り合いを3人殺すしか道が無いんだ。
しかも24時間以内に。
瀬野貴文もそれで人を殺したのだとしたら。
……その瀬野貴文に殺された内の3人目が私を狙っている犯人の可能性が凄く高い。
だって、瀬野貴文が人を殺した現場が余りにも近過ぎる。
それに、瀬野貴文は勝也の親戚で今この学校に集まっている皆とは顔見知りなんだから。


