仲良し8人組




勝也の家を出るとそこからは早足で中学校へ向かう。


走るのは目立つが、だからと言って悠長に歩いていたら警察に出会う可能性もある。


警察に会ったら、あんな通報をしたのだから何か訊かれるかもしれない。


もしそうなったら、ひなは嘘を吐き通す自信が無い。


血まみれの勝也の姿が嫌でも頭にこびりついているのだから。



暗くなってきた視界に気付きふと空を見上げると、もう空は夕日の赤さを消している。



予定より時間が掛かってる!



勝也の無惨な姿を目の当たりにして動揺していたからか、時間が進む感覚を遅く感じていたのだろう。


その時、ひなの鞄の中に突っ込んであったスマホがピローンと音を響かせる。


ラインだ。


歩きながらスマホを取り出すと点滅しているライト。



誰から?


……もしかして、……勝也からの……。



そんな恐怖から恐る恐る画面をタッチした。


『真由美』


その名前にホッと胸を撫で下ろす。



『ひな~!ノート取っといてあげたしね!
あっ、それから。怖い話にひなが凄い食い付いてたからさっき思い出した続きだよ!

2回目のチャンスが知り合いを3人殺す事。だけど、それには時間制限みたいなのがあって24時間以内に殺さなきゃ、やっぱり自分も消えちゃう。

確かこんな感じだったと思う。じゃあ、明日ね!』



24時間以内。


たった1日しか無い。1日で知り合いを3人もなんて……。



真由美から送られてきた内容を見て、ひなが眉間に皺を寄せた。