「そう。でも犯人を間違えても、もう一度だけチャンスがあって、今度は自分が3人の知り合いを殺したら溶けて消えないんだって」
これって……。
殺されたらって……。
3人の知り合いって……。
この怖い話ってもしかして、
……今の私に起こってる…事?
「犯人って、自分を殺した犯人って事だよね?」
「そうだと思うけど。どうしたの?自棄に食い付くじゃん?」
普段なら怖い話には全く食い付かずに、早く止めてよ~。などと言うひなが身を乗り出して真由美に訊いてきたのだから、可笑しな光景なわけだ。
それでも、この真由美の言う怖い話が今の自分が体験している事だったら…と思ったひなの質問は途切れない。
「それってネットで調べたんだよね?」
「そうだけど」
「その話が載ってた所って分かる?」
「ブックマークしてるから分かるけど」
「見せて!」
「い、良いよ」
ひなの勢いに押されながらもそう言って、真由美が横に置いていた鞄からスマホを取り出して操作をしだした。
この怖い話を載せている人が誰か分かったら、何かが分かるかもしれない。
バクバクと心臓が大きな音をたてる。
少しでも何かに近付ける!そんな思いだったひなだが、その思いも虚しく真由美が怪訝な表情をして首を傾げた。
「あれ?」
「どうしたの?」
「これなんだけど……。Not Foundってなってる」
ひなへと差し出された真由美のスマホの画面のその言葉。