「そうそう!その伏見がこの間、病棟から逃げ出して行方不明になったらしいですよ」 田村がそこまで言うとデスクに頬杖をついて溜め息を吐く。 それと同時に日下部の眉間の皺がさっきよりも深くなる。 「また変な通報してこないといいがな」 「ですね」 日下部の呟きに似たその言葉に苦笑いを漏らして田村が相槌を打つ。 何だか気持ち悪い。 日下部は、その気持ちを消そうと一度横に頭を振ると、報告書を書く為にデスクに置かれている鉛筆立てから、ボールペンを一本掴み取った。