仲良し8人組




昔から龍は亮介を尊敬していたっけ…とひなが思い出に浸った瞬間、


「あっ、そういえばさ。龍って神崎ひなって覚えてる?」


そう亮介が爆弾を投げた。


聞かなきゃならない事とは分かっていても、仲の良かった人が自分の事を知らないと言うのを聞くのは辛い。


龍はひなにとっても大切な弟の様な存在だった相手。


何度か宿題も手伝ってあげた記憶もある。



「神崎ひな?さあ、知らないっすね」



やっぱり。



ドンッとその言葉がひなの胸に落ちてくる。



多分、亮介以外の人は私の事を覚えていない。



そうひなが確信するのは、今までの知り合いの会話で十分だ。


キリッと奥歯を噛み締めると、そっと亮介の服の袖を掴んだ。



「そっか。ありがとな!んじゃ、気を付けて帰れよ!」



そう話を切るのはひなの変化に気付いたから。


ただ、その話を切るタイミングは龍的にも丁度良かったのかもしれない。



「じゃあ」



そう笑って亮介に手を振っていたが、反対の手はお腹を抑えていた。


やはり痛みがあったのだろう。


龍が角を曲がり見えなくなった所で、はぁ…とひなの溜め息が響く。


それにどうした?という感じで首を傾げる亮介。



「龍、大きくなってた。私が知ってるのは、小4だったのに。ランドセル背負ってたのに……」


「今は中1だな」



3年という時間が凄く長い時間に感じられる。


背が高くなったとかだけじゃない。


龍に至っては、顔も少し変わってきている。