我慢するのだが、やはり我慢しきれない思いがひなの口から漏れ出ていく。
「私、…明と。……話したいことまだまだあったのに……」
「そっか」
「もっと色々話したかったのに……」
明と二人きりで話した事なんて無かった。
一度でも二人で話してみたかった。
そして、……私や亮介を羨ましいと言う明に、私は明の優しさや皆に合わせられる所が羨ましいよ!って言いたかった。
そんな思いがひなの目に涙を溜める。
ポンッと優しく亮介の手がひなの頭に乗せられると同時に、淡々とした口調で紡がれた言葉。
「話せるかもしれないだろ」
亮介は、何を考えてそう言ったのか。
ひなには分からず亮介の顔を見つめて
「ど、…どうやって?」
と聞き返すのがやっとだ。
明の存在が消えている。その現実に動揺してしまったひなは見落としている。
それに亮介は気付いたのだ。
「ひなが元の世界に戻ったら、そこには明がいるんだろう」
「あっ!」
そうだ。亮介の言う通りだ。
この世界は、私の知っていた世界から3年後の未来って事になる。
なら、元の3年前の時間に私が戻ったら。
明は存在しているんだ!
「そういう事。一時的なタイムスリップをしているひなの未来はまだ決まってねぇって事」
「まだ、話せるかもしれない」
一縷の希望の光が見えてくる。


