あ、そうそう




優という名は、母親の優子からとったのだけれど



優の名前をつけたのは、母親ではなかった






では、父親が名前をつけたのか








いや



優子は、出産する前に、父親となるはずだった隼人と別れたのだ





実は、病院の看護師が名付けた












優子はシングルマザーとして、子供を育てるつもりだったが







当時、病院からは妊娠しているのは一人と聞かされていたのだ







生まれてきたのは二人









「話が違うじゃない!!」




そういって、後から生まれた妹の方は、




自分の子供だとは受け入れなかった









「私の子供は優香だけよ」



病院側は、説得してちゃんと育てるように言ったが



優子は、一度もご飯を与えることはなかった







それどころか、



殴ったり、踏んだり、投げたり、お湯をかけたり、焼いたり







暴力と呼べるレベルではなかった





殺そうとした





それでも、優は死なない、死ねない







保健所の人も来たが



優は、自分の意志で、優子のもとを離れようとはしなかった







後に、優は
『自分が居なくなったら、姉貴に暴力するんじゃないかと思った』と言っている





けれど、優子は、優香のことを本当に愛していた



実の娘なのだから



いくら優が成長が早いからと言って、まだ幼い考え方





そこまで、まわらなかったのも無理はない










なかなか死なない、優に苛立って



刃物を向けた




優香が、4歳になった日だった







腹を切り裂いて、腸をぶちぶち引き裂き、心臓を握り潰した








優は、優子の首に手を掛け、力を込めた



ぽきっと、枝が折れるような音がした