桜が舞う季節、美桜高校の体育館。

入場してから1時間が経とうとしていた。
雨宮静香は退屈で長ったらしい校長の話に怒りさえも覚えていた。


欠伸をしかけたとき、ようやく校長の話が終わった。

年老いた校長の禿げ上がった頭を改めて見ると、思わず吹き出しそうになる。

入学式が終わり、教室へ入る。


静香には、仲の親しい友人と一緒のクラスになれたことを喜び合う生徒達や、友達作りに興じる生徒の声が煩く感じた。

この喧騒、頭が痛くなる…。

そう思っていた。