私は袋を手に取る。
正樹…私の誕生日知ってたんだ。
やっぱり、正樹は不審者だよ。
「……。」
そう思うけど、それでもやっぱり嬉しい。
なんだろう、この温かい気持ち。
絵里にもお祝いしてもらって、正樹にもお祝いしてもらって。
なんで、素敵な誕生日なんだろう。
今まで人生で、こんなふうに思ったことはなかった。
やば、なんか私じゃないみたい。
それくらい今、こみ上げるものがあった。
中を開けると、そこにはマグカップと香水が入っていた。
マグカップって…
前に私が、割っちゃったという話をしたのを正樹は覚えていたのかな?
「…ん」
メッセージカードの裏には、まだ続きが書いてあった。
〝21歳 素敵な年になりますように
ちなみに、マグカップ俺とお揃いだからよろしく〟
「はっ…お揃いって。」
温かみのあるオレンジ色と赤色のマグカップ。
食器棚を見ると、水色と青色の色違いのマグカップがあった。
お揃いかぁ、なんか使いにくい。
そんなことを思うものの、本気で嫌だとは思わなかった。
正樹、ありがとう。
私は丁寧に袋にしまってカバンの中に入れた。
さ、お部屋の掃除、しますか。
私は少し散らかった部屋の掃除をし始めた。

