「紗子、もういいから。帰りな。」
「嫌よ。」
「え?」
「このままほっておくなんて、そっちの方がひどい話じゃない。」
「紗子…」
正樹は少し驚いたかのように目を見開き、そして優しく笑った。
「んなら、紗子のお言葉に甘えて。」
「少し寝たら?まだあんまり寝てないでしょ?隈あるし、顔色も悪い。家のこととかやっておくよ。」
「ん、ありがとな。まだあんまり寝つけてないんだわ。」
私は、頷いて寝室を出ようとする。
「あ、紗子。」
「ん?」
「リビングの本棚の下の引き出し開けてみ?」
「…うん。」
私はそう言って、そっと寝室のドアを閉めた。
本棚の下の引き出し…?
なんだろう?
私はクリーム色の木で出来た本棚を見る。
「これだよね?」
下の引き出しって、これかな?
私はそれらしき引き出しを見つけ、ゆっくりと開けた。
「えっ…」
私は中を見て、立ち尽くした。
これ…
中にあったのは、〝Happy Birthday SAKO〟と書かれたメッセージカードと、花柄の袋に入ったプレゼント。
今日は、私の誕生日———
正樹、知ってたの?

