「紗子先輩の過去は分かりません。きっとこんなに絵里みたいにグレてはないと思います。
でも初めて先輩に会ったとき、絵里と同じ目をしているって思ったんです。昔の、あの頃の自暴自棄だった自分と。」
「……。」
「すごく失礼なことだとは分かっています。こんなどうしようもない、絵里みたいなのと一緒にするだなんて。
でも、それでも―――
絵里は紗子先輩をそこから救い出したかった。」
「絵里…」
「やだなぁ、彼の暑苦しいのが移っちゃったのかなぁ。
でも、だからこそ、絵里は紗子先輩のこととか、なんとなく分かるんです。
過去は違うけど、きっと周りを拒絶して生きてきたんじゃないかなって。」
そう、だったの。
だから、絵里はいつも必要以上に私に構ってくるんだね。
あれは、全部私のために―――
「余計なお世話だってことは分かってます。鬱陶しいことも分かってます。
それでも、彼が絵里のことを諦めなかったように、絵里も紗子先輩のこと諦めたくない。紗子先輩に笑って欲しいんです。」
絵里の言葉は今までになく力強かった。
きっと自分と同じだった私をほっとけなかったんだね。
そう考えると、なぜだか自分の中で熱いものがこみ上げた。

