「恋をすると人は変わるんです。」
絵里がそんなことを言っていたっけ。
恋…ねぇ。
私の正樹に対する想いは俗にいう恋とは少し違う気がする。
なんていうのか、もっとその先にあるような大切な気持ち。うまく言葉にすることは出来ないんだけど。
それにしても、こんなに正樹に会えない日が続くのは初めてだ。
不安しかない。
いつも心が苦しくて、身体的にも精神的にも休まらない。
やっぱり、会わないだけでこれほどまでに不安になるなんて…。
そして考えるのは、正樹とあの女の人のこと。
「はぁ…」
マスター、今、マスターは空の上から私のこと見ていますか?
笑っちゃうでしょう?
あの私が今はこんなに、ナヨナヨしてしょうもない人間になっているよ。
それでもね、大切なことをたくさん学んでいる気がするよ。
……恋って不思議なんだね。
そんなことを思いながら、時計をちらりと見る。
そろそろ大学へ行く支度しなきゃ、今日で年内最後の講義だ。
私は重い身体を起こし身支度をした。
テーブルの上のプレゼントの包装がやけにキラキラして見えた。

