雨のち晴れ



「くっつくなぁー」

えへへ、と笑う絵里が「でも…」と呟いた。

「ダメかもって?何がダメなんです?もうそのままゴールインじゃないですか。」

「正樹は私のことが本命なのかよく分からなくて。」

「え?」

頭の中に再び浮かぶ上がるあの日のこと。私はそのことを絵里に話した。


「……。」

「正直、自分がここまでショックを受けるだなんて思ってもみなかった。それだけ正樹の存在って自分の中で大きかったんだなぁって思うの。」

簡単に話し終え、私を見つめたまま言葉を失う絵里。
さっきとは違い、本当になんて言ったらいいか分からないような、そんな顔をしていた。

「でも逆を言えば、これが無かったら正樹に対する自分の気持ちにも気付くことは無かったと思う。正樹のこと好きってね。
だから、いろいろと複雑なんだよね。」


ふぅ、と私は小さくため息をつく。


「正樹に聞けばいいだけの話なんだよね。あの女の人は誰って?
多分今までの私なら、何もためらいなく聞けたと思う。というかむしろ、そんなこと自体に興味すら持たなかっただろうけど。」

「……。」

「なのに急に怖気づいちゃって。情けないよね、本当。自分でも馬鹿馬鹿しくて笑っちゃう。」


私はロッカーにもたれかかった。

壁にかかっているシフト表がぼんやりと視界に入ってくる。


もうすぐクリスマス。

24日のイブは夕方から夜にかけて入っていた。