雨のち晴れ



どうしたら素直になれるのだろう?

正樹に冷たく当たって、でも正樹はいつも通り優しくて。

いっそのこと、こんな気持ちに気付かなければよかった。
正樹のこと、好きと言う気持ちに。


「紗子先輩…?どうしたんですか?」

バイト終わりにロッカールームで絵里が私を覗き込んで聞いてきた。

「顔色悪いですよ?」

「もう…ダメかもしれない。」

「えっ?ダメって…?」

「正樹の言ってることが素直に受け入れないの。」

「先輩…」

私はパタリとロッカーのドアを閉じる。

「でも私、正樹が好きみたい。」

私はそっと呟いた。

「へ?!えっと…今、先輩なんて…?!」

今日一番の大きな声を出す絵里が、なんだか可笑しくて私は少し笑ってもう一度言った。

「私ね、正樹のことが好き。」

「……っ!」

ドラマなんかで見るような、はたまた絵に描いたような、驚いて目を見開く絵里。
そしてしばらくなんて言うのか言葉を探しているようだった。

「えええ?本当に…ですか?」

「うん、そうみたい。」

「うぅ…夢じゃないですよねぇ?」

「なんで絵里が泣きそうな顔してんの。」

「だってぇ…絵里嬉しくて。紗子先輩の口からそんなこと聞けるだなんて。わぁ、本当なんですね!嬉しいです!」

そう言って、絵里はどさくさ紛れに私に抱き付こうとしてきた。
そんな絵里を私はひょいと交わす。