『はぁっ…はぁっ……っ』
勢いで来たけど、試合中なのに入れないじゃん…
『どうっ…しよっ…』
だんだん視界がぼやけてくる
無力な自分が嫌だった
『ん?どうした
って、木槙じゃないか
どうした?なんで泣いてるんだ?』
そこに現れたのはけんちゃん
『けん…ちゃ…(泣)
なんでっ』
『ハーフタイムに入ったからだ
それよりなんでないてる?』
そうだった、
泣いてないで言わないとっ…
『日向っ…』
だけど、その名前を口にしたとたんにまた、
視界がぼやける
『日向がっ…ぅっ…日向、
足、痛め……てる…からっ(泣)』
『!!!
おまえ!それ、日向から聞いたのか?』
首を横にふる
ちがうよ…
こんな大切なことは
私には教えてくれないもん
…
『…わかった、
みてくるから、心配しないで客席もどってろ?』
『はいっ…』
ただ、もう
けんちゃんに任せるしかないって
そう思ったんだ
