ひおりside
それは12日の夜のこと。
いつものようにとなりの病室で眠っている桜ちゃんをみながら、つきあかりをあびていた。
『……樹くん……』
いつも甘やかしてくれた。
わたしのこと、否定しなかった。
そんな優しいところが好き。
バスケしてる姿が好き。
桜ちゃんを見てる目が好き。
私に手を差し出してくれるところが好き。
好きなところなんてたくさん浮かぶ。
だから……はやく目を開けて……
ひおり………みんなみたいに強くないから……
そんなときだった
『うぅ……』
『桜ちゃん?起きちゃった?』
『……いー……くんの……とこいくのっ』
『え?ダメだよ。もうねんねしないと……』
『… や………いーくんっ』
そのあともずっと
病室にいきたがるから、
仕方なく、つれていくことにした。
『ほら、……おにいちゃんはまだねんねしてるんだよ……』
いつもなら、すぐに静かになって
くまさんに抱きついてだまっちゃうのにでも
『いーくん……いーくんっ
おーきてっ……いーくん』
必死に呼び続ける。
『桜ちゃん……』
だから私も樹くんの手をとって
『樹くん……おきて……』
そういった。
