『あ、きたきた!樹。帰ろうぜ!』
『そうだな』
『高峰くん。』
『ん?樹でいいよ』
『じゃぁ、樹くん。その子妹さん?』
腕の中ですやすや眠る桜
『そう。妹の桜。よろしくな』
『……あのっ……樹君』
『ん?どうした?ひおり。』
『樹君っていつもこんな遅くまでバイトしてるの?』
『そうだな。土日は22時までやってる 』
『けどさ』
叶多が言う
『ちょっと働きすぎじゃね?
おまえが生計たててるみたい』
その言葉にすこし戸惑ったりする
『たしかに。お父さんやお母さんは?』
相田まできいてくるし。
『うーん。それは……』
『んんっ……いーく……』
あれ?桜おきた?
と思ったけど、
首に腕を回して抱きついて再び寝る
『……仕方ないな。お前らだけにいっとく
桜は、おれの唯一の家族。
父さんと母さんは桜が生まれた頃に亡くなって、
他に親戚もいないし、
ばあちゃんたちも早くになくなってたからな。
だから、いまは、奨学金もらいながら働いてるわけ。
ただね……』
『ただ?』
『……みての通り桜はほんとに甘えたで寂しがりな訳だけど、土日はほとんど部活とバイトだから
遊んでなれないし、
愛架さんに預かってもらってはいるけど
1人でいさせてることになるしで』
『そっか……でもそれはしかたないんじゃない?』
『まぁ。そうしないとまた何年かしたら学校にもいくようになるし。
今のうちにお金ためとかないと。』
そう。せめて桜にはやりたいことを
やりたいだけやって。
親がいなくても
普通の暮らし、してやりたいから。
