立派な机がぐしゃりと原型を留めない形になり、
しまった...とお父様は一つ咳払いした



あらら...お父様が動揺してる姿を見るのは極めて珍しい


いつも立派に振る舞われていて、隙を見せないお方だから



そのお父様が、だ。
取り乱したのは余程深いわけがあるのだろう



「魅音、これは間違いなく現場に落ちていた物か?」


「と、言いますと...?」


「例えば、犯人ではなく、被害者の物だったりしないか」


「いいえ、被害者は皆女性で大人でした。
対してそれはネクタイの一部分...被害者の物である可能性は限りなく低いですね」



お父様の言いたいことは分かった気がする、けれど今は黙って言葉の続きを待つことに



一呼吸置いたあとにお父様は言った



「そうか...これはローラル魔法学園のエンブレムだ。」



″ローラル魔法学園″



世界中から魔法が集まる世界屈指の魔法学園であり、お父様が学園長を務めている。




ローラル魔法学園には高い能力性を持つ人達しか入学することを許されていない