血を洗い流して着替えた私は、お父様の書斎に来ていた


「…被害者1名で死亡確認しており、
死体処理完了しています。

討伐した吸血鬼は5体。
見つけた吸血鬼はあと1体いたのですが
逃げられてしまいました....
私の落ち度で申し訳ありません。」



次遭遇したら必ず討伐しますと、後から付け加えて報告し頭を下げる



早いうちに探し出して殺さないと、
いつまた人間が襲われてもおかしくない



やり方が手慣れていたから何度も人を襲っていたとみて間違いない



「頭を上げなさい、魅音。
今回も最小限の被害に抑えてくれて助かった。
逃げられた吸血鬼については、こちらで対処しよう。何か手がかりにつながるものはないかね?」



純血種あろう者が混血種に遅れを取った...
これは本来であれば恥じるべき行為。

それなのにも関わらず、お父様は私を責めなかった



あろう事か私の後始末をしようとして下さっている
私は唇をギリッと噛み締めた



「…これは現場に落ちていた物です。
おそらく取り逃がした吸血鬼の物だと思います」



ポケットの中からエンブレムを取り出して、お父様に手渡す



「これは…っ!?」



それを見たお父様の顔が盛大に歪み、ダンっと机を殴る音が響き渡る。