流れ落ちる血が剣の形となって、私の手のひらに収まる。


それを軽く振り上げると動じにフィールドに荒れ狂う風が舞う。



「、、、っ!あなたその技は何?!」



それを見た三木さんが先程とは一変して私に恐れの目を向けてくる。



今まで見たことがないであろう魔法を目の辺りにして恐怖している、といったところだろうか。



まあ、この剣は魔法じゃなくて吸血鬼の能力なんだけど......



血で作り上げた剣に風魔法を使って操ってるだけの話。




魔法バトルとは聞いているけれど吸血鬼の力を使ってはいけないとは、言われてないから思う存分使わせてもらう。




「...あなたがそれを知る必要はない。
魔法を発動させないと、危ないですよ?
忠告はしましたからね。」




天にかざしている剣をひと思いに振り下げる。



暴風が剣を離れ、真っ直ぐに進んでいく。



「っ!氷結よ...連なれっ!アイス・フリューゲル!」



咄嗟に詠唱されたであろう言葉と同時に、地面から氷の結晶が連なるようにして彼女の前に壁として現れる。



瞬間、暴風と氷壁がぶつかり合い辺りに氷の破片が散らばる。