暖かい風に綺麗な桜が散る。
私たちに春が来ました。

「今日から高校生だよ!」
「あんまり、実感ないなぁ〜」

私、桜木 柚華(さくらぎ ゆずか)。
晴々今日から高校生です!
友達の那月 美琴(なつき みこと)。

私達の高校は“海原学園”

まぁ、いわゆるお金持ちな高校です。

…っていってもべつに私はお金持ち
じゃないんだけどね。

「みぃは、高校生活でやるべき事は?」
「…なにいってるの?」
「…え?」

美琴はふんっとした顔で柚華を見る。

「彼氏を作ることに決まってるでしょ」

当たり前の顔で美琴は言った。

「彼氏かぁー」
「何、柚華いらないの?」
「いやぁ〜、欲しいけど…」
「だったら、何よ」

「私のタイプがいるかどうか…」

「でも大丈夫よ!人数は多いだろうし」

人数ねぇ〜。
確かに大きい学園だからいるとは
思うんだけど…。

柚華は心配そうに腕を組んだ。

「ゆずは駄目なやつあるの?」
「メガネと真面目はムリ」
「うわぁ〜。即答」

なんかしらないけど、メガネと真面目は
昔からだめなんだよね。
なんだろう。上から目線だろうし、
気取ってそう。
…あくまで想像なんだけども。

「ほら!でもたくさんいるし!」
「そうだよね!頑張ろっと!」

そんなことを言っているうちに
学園についていた。

「やっぱり、大きいわね」

美琴は圧倒されながら言った。

まるで、お城のような学園。
レンガの感じがとても雰囲気を
かもしだしている。

「とりあえず、体育館だよ!」

柚華は言いながら、急ぎ目に
歩き出した。

『新入生はこちらです。』

先生と見られる女性が案内を
してくれた。

「ありがとうございます。」

柚華と美琴は体育館についた。

内装はまるでホールのようだった。
2階立てのとても綺麗な体育館だ。

「これじゃ、学園で迷子だわ。」
「…確かに。」

これからを過ごす学校にはやくも
不安を覚えた。

『これから入学式を行います。』

シンとした空気がレベルの高い高校
なんだと実感するくらいの静けさだ。

『新入生代表あいさつ』

この挨拶は入試のトップが行う。
つまり、この学園の1年生のトップ。

『1年、和泉 奏(いずみ かなで)』
「…はい」

トントンと堂々とした歩きで
ステージに向かう。

「…やっぱ、トップは違うね」
こそっと美琴は言った。
「雰囲気が違う」
と柚華も言う。

「イケメンかしら…?」
とてもワクワクしながら美琴は見ていた

ステージに立っている奏は
一礼をした。

「ねぇ、みぃ!」
「ん?」
「目が悪くてよく見えないんだけど」
「あー、うん。ウチも見えない」

私達は2階でとても遠く、見えずらい。

「これであの人を見るのも最後かもしれないのに!」
美琴は悔しそうに言った。
「それはないよぉ〜!」
笑ながら柚華は言った。

そんなことを話していたら
あいさつも後半になっていた。

「この素晴らしい学園で勉強をできるということを感謝しながらいきたいです」

奏は一礼をしてステージを降りた。

その瞬間に拍手が起こる。

「さすがトップ。真面目だなぁ!」
「ほとんど聞いてないけど思う!」

なんだかんだで、入学式は終わり
教室に来た。

柚華はA組
美琴はB組

離れてしまった。

「まぁ、隣なだけよしとしよう」
「そうだね!じゃ、おわったら!」
「またね!」

バイバイをして、柚華は教室に
戻った。

「えー、新入生の皆さん。海原学園にようこそ。私は担任の美波 琴葉です。」

…いかにもお嬢様な名前ね。

「今日は入学式が終わったので、下校になります。明日から学校なので、家に帰ってゆっくりしてください。」

皆早速さと帰っていく。

「B組はまだ終わらなそうだな。」

クラスによってやることが違うみたい。

私は、美琴にメールを打った。

“図書館に行ってるね”

そう美琴にメールを送ると柚華は
歩き出した。

「ゆっくりしたいからね」

っていっても、図書館どこよ!
すっかりだった!

そこにA組の担任、美波先生がいた。

「…先生!」
「はい、どうしましたか?」

美波先生はふっと振り向いた。

「…図書館はどこにあるのですか?」
「図書館はあっちの東棟の3階ですよ」

美波先生は東棟の方向を指差した。

「ありがとうございます!」

「いいえ!明日も頑張りましょう」

柚華は走って図書館に向かった。

「…にしても図書館遠すぎ。」

柚華は図書館についた。

かれこれ10分は歩いた。
走っている途中で疲れて歩き始めた。

「歩いて10分ってほんと何事」

図書館は柚華の思っていたよりも
とても大きく本の数が多かった。

「うわぁ〜!凄い!広い!」

そんなことを柚華が叫んでいたら、
誰かが話しかけて来た。

「…うるさいんですけども。」

ガタッと椅子から歩いて来たのは
あの、1年生トップの和泉 奏だった。

「…えっとー。貴方は?」

入学式に見えなかった柚華は
もちろん存在をしらない。

「和泉 奏だ。」
「和泉 奏…?」

少し考えたあとに柚華が叫んだ。

「ああ!1年生トップの人?」
「…そうだが。」

もっとかっこいいかと期待していたら
やはり真面目な方はメガネをしていた。

「メガネなんですね…」

はっ!とした顔で柚華は焦った。

本音がでちゃったよ〜!

「そうだが、貴女になにが関係ある?」
「…いや、べつに。」

多分、メガネを外せば美形な
はずなんだけど…。

「…メガネを外してください」
「…は?」

やっぱ、唐突過ぎたかー!!!!
…やってしまった。

「す、すいません!」
「いえ。」

やっぱりどうしても真面目な人との
会話は苦手だ。

「では、私はいきます。」
「はい、すいません」

スタスタともとの席に戻ってしまった。

メガネと真面目は苦手だ。