―「ねぇ、林檎!本屋寄っていい?」

「いいよー」


学校が終わり、その帰り道。アタシのお願いを、林檎は快く引き受けてくれた。
アタシ達は、いつもの帰り道を逸れ、駅前の本屋へと向かった。本屋まで、あと20メートル位までになった時、ピタッ、と林檎の足が止まった。


「林檎?どうしたの?」

「珠璃…。ここ、なんか変だよ…」


林檎の足は、ガタガタ震えていた。


「変って、何が?」

「ここ…、魔法堂のような気がする…」

「は?」


アタシは目を見開いた。