―ピッ!
―ザァァァ…。
「ジェームスさん、聞こえますか?」
応答なし。
「ジェームスさん?」
返事はまだ来ない。
「ジェームス…さん?!返事して下さい!ジェームスさ…!」
「珠璃?どうしたの?」
やっと聞こえたジェームスさんの声。
「あ…。何かあったのかと思いました…。」
「こっちは大丈夫だよ。みんな居る。何か用?」
「あ、今賢也とそっちに向かってます。」
「大丈夫なの?」
「はい。」
アタシはジェームスさんとの会話に夢中で、木製の、巨大な扉の奥に居る事に気が付かなかった。