「…俺、行ってくる。」
遼はそう呟くと、ホールを出ていった。
「僕も行ってきます…。1番年上なので…。」
優さんも遼に続いた。
「ジェームスさんも行って下さい。」
「え?」
「和樹の事、向こうに送ってあげて下さい。」
「…分かった。エレナ、珠璃を頼む。」
「かしこまりました。」
ジェームスさんは、一度だけこっちを振り返ってから、足早にホールを後にした。
「はぁ…。」
アタシの口からは、自然とため息が出た。
「……何がしたいの…?」
「何か言ったか?」
「ううん…。何でもない。」
「そっか。」
しばらくすると、睡魔が襲ってきた。
アタシは静かに目を閉じた。