「桃っ…!」
アタシは廊下でお腹を押さえながらうずくまっている桃を見つけた。
「大丈夫…、じゃないよね…。」
「珠璃…?」
「助けられなくて…ごめんなさい…。」
「どういう事?…まさかっ!」
「そのまさかです…。」
聞いてきたジェームスさんが信じられない、という顔をしていた。
「誰かが…、後ろから急に…!」
「分かってる、桃。ごめんなさい…。」
「珠…璃…!」
桃は最後にアタシの名前を呼んでから、息を引き取った。
「本当に…、ごめんなさい…。」
アタシは桃の手を握りながら、何度も何度も謝り続けた。
「なぁ。」