「珠璃!」
「はいっ!?」
アタシを呼んでいたのは賢也だった。
「何ボーっとしてんだよ。早く行くぞ!」
「どこに?」
アタシはまだホールに居た。
「どこにって…。桃の所に決まってんだろ。」
「桃?桃は…、死んじゃった……。」
「は?何言ってんだよ?…っ!また『夢』見たのか…?」
アタシは力無く頷いた。
「最初は『夢』って気が付かなかったんだけど…。アタシいつからボーッとしてた?」
「えっと…、『痛…!』って言った時くらい。」
「じゃあ、その時から『夢』見てたんだ…。」
「訳分かんねぇ…。何のために珠璃に見せてんだ?」
「…あっ!第二ヒント!」
「え?」
「『私は時々うさぎになる』だって。」
「うさぎ…?うさぎ…。黒うさぎ…?ジェームス…さん…?!」
「嘘っ…!絶対違う!第一ヒントは『血のような赤』でしょ?」
「そうか…。」
「赤くて…、時々うさぎにな…?」
「珠璃!賢也!何してるの?早く!」
アタシ達が話してると、ジェームスさんがアタシ達に向かって叫んだ。
「はいっ!今行きますっ…!」
アタシ達は、ジェームスさんに続いて走った。