―バタン!
由香里が泣きながらホールに戻って来た。
「由香里!」
すぐにジェームスさんが駆け寄った。アタシもそれに続いた。
「桃がっ…!桃が廊下で…!」
「何でっ?!アタシ、何も見てない…!」
「とにかく、急ごう!由香里、案内してっ!」
「こっちです…!」
アタシ達は由香里に続いてホールを飛び出した。
「…痛っ!」
走っている途中、急に頭が痛くなった。でも、すぐに治まった。
「珠璃?大丈夫か?」
「うん、大丈夫。それより、急ごう?」
「おう…!」