見覚えのある道に出た。


「嘘でしょ」


記憶が蘇る…


思い出したくもないあの…記憶。


「(あのBARに向かってる…)」


芽衣子は足を止めた。


「おい。なにしてんだよ。行くぞ」


「…やめて」


唇は震えて、微かにしか声が出なかった。

「はぁ?なに?聞こえねーよ!」


「…やめて やめてよ!!」


周りに聞こえるくらい、大きな声が出てしまった。