軟派な王子様【完結】

「一姫。今日マック寄ってこー。」

部活帰り、私と友達の香織は毎日のようにファーストフード店による。

「もー最近後輩調子乗りすぎだよ!!練習まともにしないで、ずーっと男の話しだよ??信じられる??」


私は注文したアイスティーを吸いながら香織に愚痴る。
これが日課。


「まぁまぁ。落ち着いて。そういう年頃なのよ。」


香織は私を宥めるようにいう。


「バイオリンが可哀相よ!!」
「それよりね、あたし一姫に相談があるの。」


香織が急にかしこまる。


「あたしね…隣のクラスの増田君が好きなの。」


私の頭が真っ白になる。


「へ??」


「だからね、増田君が好きなの。」



香織のことは中学のときからよく知っている。
でも一回もそんな話を聞いたことがなかった。


香織は昔から男の子が苦手だった。

よくいじめられている香織を一姫は体を張って守ったものだった。


だからこそ、一姫は香織の恋が不思議でならなかった。