軟派な王子様【完結】

私はまだ迷っていた。

翔からの誘いのメール。


行くべきか…
行かないべきか…。


「でもいいじゃん。何もそんな頑なにならなくたって。」


私と香織はまた寄り道をして、ストローを口にくわえていた。


「別に意地張ってるわけじゃないわよ。」

私は香織のやんわりとした顔に刃向かった。

香織はますます口元を緩ませる。


「あんまりそういう風に肩張ってると逆に格好悪いわよ。」


「わかってるよ…。」

ただ…


私は男が嫌いなだけで…


男と遊ぶのがありえない行為で…。


「だったら行ってきなよ。」

「でっでも相手はもう二十歳過ぎたおっさんだよ??」

香織は私の頬っぺたを掴んで引っ張った。
突然のことに私は顔を歪ませる。

「悩むくらいなら行きなさいっていってんの。」

香織はそのまま塾に出掛けていった。


まっ…あたしがそんなに意識することじゃないんだし。


気軽に行けばいいわよね。

暇だし、散歩がてらいってみるか。

私が翔と会おうと思ったきっかけは本当に薄いものだった。