「キャッ!!」


すっぽりと翔の腕の中に入っている。

その腕は震え、ひんやりと冷たい。


「おせーんだよ…馬鹿やろー…。」



翔の声は掠れ、震える。



「ごめん…。」


どうして私を抱きしめたの…??
どうして私を待っていてくれたの…??

そんなこと私に聞けるはずもなくて…。

ただただ、その冷たい腕がせつなくて…。



「ちょっ!!翔!!どうしたのよ!?」


突然、翔の足が、崩れるように地べたについた。

私は必死で、翔の体を支えようとした。

しかし、その重さに堪えられず、私も地べたに座り込んだ。



翔の頭を抱えて、私は初めて異変に気付いた。


おでこが燃えるように熱い。
息が荒く、目が虚ろだ。

もう、体には一切力が入っていない。


「熱があるじゃない!!」



泣きたくなった。


私はどれだけの人を傷つければ気が済むんだろう。