軟派な王子様【完結】

俺は夢の中で、一姫が笑っている夢を見た。



かわいかった。
天使のようだった。



俺の見たことがないような笑顔。


目が覚めると、俺は泣いていた。


「社長。大丈夫ですか。」


俺は会社の医務室のベッドの中にいた。

秘書がタオルを差し出した。
きっとそのタオルで涙を拭けという意味だ。


少し恥ずかしさを感じながら俺は顔全体を拭うようにした。
汗が滲んでいる。



「少しお休みしてください。後はこちらがなんとかしますから。大丈夫です。」

「いや、業務に戻る。」


俺は親父のことを思いだし、体を無理矢理起こそうとした。


しかし、頭が重いうえに目の前がくらくらふらふらと揺れ、猛烈な吐き気が襲った。


「くっ…。」


「ダメです。少し眠らないと。目の下のクマだって取れませんよ。」