軟派な王子様【完結】

「遠藤さん!!」



その顔を掻き消すように昇君の跳ねた声が背後からした。


恥ずかしそうに私を見て爽やかに笑っていた。


「おはよう。」

私も笑った。

「おはよう。」


昇君の隣にいた増田もすぐに香織の隣にやってきた。

「いこっか。」


すると突然増田は香織の手をとって歩き始めた。


私たちの前をあからさまにいちゃいちゃしながら…。

まったく呆れてしまった。


「僕たちもいこっか。」


隣から昇君の声がした。


「あっ、うん。」

何となく気まずくなる。
横目で昇君を見ると、その顔は真っ赤になり、強張っていた。




いくら昇君がいい人だからといって、昇君だって男。
きっと手も繋ぎたいし、くっついて歩きたいなんてことも考えてるに決まってる。


でも…



「あのさ…」



昇君は急に声をあげた。