軟派な王子様【完結】

次の日、疲れた筋肉痛の足を引きずりながら私は学校に向かっていた。

なぜかどこか足取りは重い。


その時、いつものように、曲がり角で香織と鉢合わせる。

「おはよ。」

「おはよー。」

私の声のトーンがあまりにも低いことに香織は不思議そうな顔をする。


「どうしたのよー。昇君と付き合えたんだからもっと楽しそうな顔しなさいよ。」


「なっなんでそんなこと知ってるの!?」


昨日の今日のことだ。
何で香織がそんなに新しい情報を!?



しかし、香織は平常の顔のまま落ち着いている。


「あたしも増田君と付き合うことになったからさ。増田君から聞いた。昇君すっごく喜んでるらしいじゃん。」


ホントに展開が早かった。
私は突っ込む気力もなくなってしまった。


とにかく、香織の顔も、あの時の昇君の顔のように、ほころんでいた。


香織がうまくいったのは嬉しい。

でも…


自分と昇君の新しい関係を私はどうしても率直に喜べないでいた。


あれから翔からは連絡がない。




瞳に焼き付いて離れない、翔の悲しい顔。