軟派な王子様【完結】

「馬鹿!!馬鹿馬鹿馬鹿!!」


私はひたすら走っていた。

振り返らなかった。
頭が沸騰していた。

なんで??

なんであたしこんなむきになってんのよ…



私は暫く走って立ち止まった。
後ろを振り返る。


もう翔の姿は見つからない。
混み合う人だかりが見えるだけだった。


追って来てはくれなかった。



「なんで…あんな悲しそうな顔すんのよ…。」



最後に見た翔の顔は泣きそうなほどに悲しそうで、寂しそうだった。


あの女の人はきっと過去の人のうちの一人。
そんなことはわかってる。


でも…




沸き上がる熱いものが押さえられなくて…

あれ以上翔の前にいたら泣いてしまいそうで…

そんなの絶対に嫌で…