軟派な王子様【完結】

「次あれ。」

私は誰かの手を引っ張った。
その手は汗ばんで、ぴくともしない。

不思議に思ってその手の持ち主を見ると、昇君だった。

私は何故か驚いて、握った手をぱっと離した。
昇君も同じ顔をしていた。

「一姫!!何やってんの!?行こう!!」

香織が増田の隣で叫ぶ。

「うっうん。」


何となく気まずくなった私たちは足が止まっていた。
暫くすると、私の手に温かいものが触れた。
それは照れ笑いをする昇君だった。


「行こう!!」

私は複雑な思いでその手に導かれた。




酷い罪悪感。

私は…

昇君に…

今日…

はっきりとした答えを出そうとしていた。



その笑顔が、私の胸を苦しくさせる。