軟派な王子様【完結】

あれから一度も翔からの連絡はなかった。
所詮その程度。



そんなもの。


そう思っても何故か何度もセンター問い合わせをしてしまう。


その度に怒ったり落ち込んだりしていた。


こんな私、私じゃないって思いながら…。

「夏の終までにおまえを落として見せる。」


そういったのはあんたじゃない…。


途中棄権なんて…


ありえないんだから…。







時は八月。
もうすっかり木々が緑に彩られ、蝉が騒がしくなっていた。
汗を流す陽気が続き、私はバイオリンを片手に額の汗を拭った。


夏休みがやってきても、私達の毎日はあまり変わらない。

毎日学校に出かけていき、楽器を持つ。


「ねー一姫!!今度の日曜にしよう。」

香織がテンション高く私の肩を叩く。

「何が??」


「遊園地だよ!!」


すっかりそんなことを忘れていた。


「うっうん…。」

その時、端で練習をしていた昇君と目があった。


いつもなら微笑み返す私は…


何となくその日は出来なかった。