軟派な王子様【完結】

「昇…くん。」



うれしかった。
私は頑張ったね、よかったよって言われたくなかった。
前へ進ませてくれるもっと大きな重い言葉がほしかった。


香織が増田にとられてしまったから寂しいんじゃない。

私は自分の不足部分に寂しさを感じていたのかもしれない。




昇君の顔は相変わらず穏やかで、澄んでいる。


「ありがとう。」











「そーいえばさ。」

私たちは店を出て街を歩いていた。

「ん??」


昇君は少し言いにくそうな顔をしている。


「中川さんから…聞いた??」
「香織から??」


「うん…。」

「何を??」






「今度四人で遊園地行こうって…誘われたんだけど…。」



この言葉で急に昇君に変な意識が生まれてしまった。