「あーッ!!くそッ!!」


敷地内が広すぎて朱祢一人を見つけるのは無謀すぎる。

かと言って行く宛なんか…



「ねぇ、観覧車よかったよねー」


丁度、俺の横をカップルが楽しそうに通った。


……観覧車??



顔を上げると目の前に色んな色にピカピカと光って建っている観覧車。


そういえば…




━…



゛何、見てんだよ゛


教室で雑誌を真剣に見てる朱祢に後ろから声をかけた。



゛ん?今ねー、遊園地特集を見てたの!゛

゛はっ、彼氏もいないのにデート特集ね゛


俺がバカにしたように鼻で笑うと、朱祢は頬をプゥと膨らませた。



゛いいもん!いつか彼氏を作ってこの観覧車に乗るの!!゛

゛好きな人と乗ると結ばれる…ね゛


女ってこういうの好きだよなー…。

明らかに嘘だろ、ありきたり過ぎるし。