「だから青依のこともね、男子に紹介するのは難しいかもって北見くんに言ったんだ」
とまた『紹介』の話に戻る。
「青依んちも、うちと一緒で結構うるさいもんね。中三の今、男子とつきあうってこと自体が無理かもって言っといた」
「うん……。確かに」
お母さん、ギャアギャアうるさいもん。
「でも律ちゃん、その前にその話、何かの間違いだと思うよ。わたしを紹介して欲しいなんて、矢代くんが言うわけないもん。
『誰か紹介して』ってことなら、他の子に頼んだほうが絶対にいい。わたしが行くと、がっかりさせちゃうしさ」
なるべく明るくそう言った。
でも、ここはちゃんと説明しとかないと、とんだ恥をかくことになるから。
なのにね、律ちゃんは言ったんだ。
「ちがうの。『月島がいい』って北見くんが言うのよ」
えー、なんで? 意味がわかんない。



