今夜、きみの手に触れさせて




それから1ヶ月以上が経ち――


わたしはすっかり元通りの生活を取り戻していた。




小川さんには北見くんが話してくれたらしく、廊下ですれ違ってもなんにも言われることはなく、


てゆーか、完全に無視されていた。


律ちゃんは北見くんとちゃんと続いていて、相変わらずラブラブらしい。


でも、さすが律ちゃん。


期末試験の成績は、ちゃんとあげてきたよ。


成績UPしとかないと、北見くんとの仲が親にバレて反対されるからって、必死に頑張ったんだって。


恋の力は、やっぱスゴイ。


わたしにはそんな原動力はないから、テストの結果は現状維持がやっとだったけど。




そして、もうすぐ夏休み。



『休みだからって気を抜くなよ。受験生だという自覚を忘れずに!』


なーんてことを各教科担当の先生から、イヤってほどに聞かされて、


明日の終業式が終われば、わたしたちは夏休みに突入する。