今夜、きみの手に触れさせて



「たぶん断ることすらめんどくさくなっちゃうんだろーな。あんまりグイグイ来られると。

で、そーゆー子たちは、純太に求められたって拒まねーしさ」


なんてヤスくんは、さらりと言った。




も、求め……?




「……やっぱ、手、早いんじゃん」


ボソッと、律ちゃんがつぶやく。




「そりゃまー、やつも年頃の男子だしさ。

あ、でもいつも長続きしないんだよ。気まぐれ純太に放置されて、女のほうが別の男に乗りかえるってパターン」


あわてたのか、若干しゃべり過ぎのヤスくんを、北見くんが睨みつけた。


「バーカ、全然フォローになってねーよ」






…………。


ヘンだな。


本当にヘン。


わけのわかんない気持ちが心の中に渦巻いている……。




矢代くんがすごーく遠くに感じた。

もとから近くになんかいないのに。





胸の奥がギュッと……痛い。