今夜、きみの手に触れさせて



「大丈夫。純太は優しいやつだ」


北見くんはあらためて胸を張った。


「小学3年生のとき、学校で飼ってたウサギが死んだんだけど、クラスで一番泣いたのは純太だったからな」


なんてことをマジに言う。




「ぶっはっは、初耳だ~、それ」


とヤスくんは爆笑しだした。


「お前、それ純太に言うなよ。殺されるぞ」


北見くんがあわてて釘をさす。




ふふ、小学生の矢代くんかぁ……。可愛いな。






「でも女の子に対して『手が早い』っていうのはどうなの? かなり引くんだけど」


と律ちゃんは話を戻した。


「いや、あれはさー、純太のせいじゃなくて、相手の女がイケイケなんだよ」


そうヤスくんは肩をすくめる。




「純太は、あれで結構モテるんだ。でもめんどくさいらしくて、告られたらいつも即答で断るんだけど、ときにはしつこい子もいてさ……。

そーゆーのに押し切られてときどきつきあったりしてたから」


「えー、押し切られちゃうの?」


と律ちゃん。